木村監督より、夏の大会を終えて お言葉をいただきました
2022 鎖
OBOGの諸先輩方、日頃より多くのご支援・ご声援をいただきありがとうございます。また夏が過ぎました。3年生選手にとっては、あっという間の夏大会でした。事前のリサーチでは「あまり迫力がない」チームだと聞いていましたが、力差は歴然としており、5イニングコールド負け(試合自体は短かったのですが、その前に悪天候により6時間近く球場内待機がありましたので“長い一日”でした)という残念な結果となりました。2年生の選手たちが浮足立ったような雰囲気で、私の指導力不足を痛感いたしました。ただし、たった二人の3年生は、短い中でも力を発揮してくれました。ヒットあり、好守あり。もう少し闘わせてあげたかった、というのが正直なところです。
思い返せば、この3年生の代は、いろいろネガティブな状況を強いられた学年でした。緊急事態宣言のなか、入学式のみで通学できず、野球部入部は6月半ばでした。ふたを開けたら3名しか入部せず、それもすぐに当時の3年生中心の「独自大会」に動き出したため、ほとんどかまうこともできませんでした。新チームは上級生3名と合わせて6名の活動となり、大会は合同チームでの参加。休校や部活動の停止、練習可能となっても他チームとの合同練習や練習試合の禁止など、さまざまありました。昨年秋大会後には1名が退部して、同学年はたった二人になってしまい、ひょっとして、この子たちも…と心配をしました。しかし、二人は立派でした。決して野球の上手な選手たちではありませんでしたが、休むこと、弛むことなく練習を続け、レギュラーの座を守り続けるだけではなく、後輩たちのよい見本であり続けました。つい先日ですが、「あの先輩は夏前にすごい量のダッシュを黙々とやっとった。やっぱりダッシュは大事だな」と後輩がつぶやくシーンを耳にし、感動を覚えました。
私は、よく部活動を“鎖”に例えて生徒に話をします。何十年も前から、連綿と続く“鎖”。どこかで輪が切れてしまえば、“鎖”は途切れてしまいます。事実、公立高校では野球部人口は確実に減少し、合同チームの多さがそれを物語っています。ここ2年程、OBOGの諸先輩方には多大なご心配をおかけしたかと思います。しかし、細くとも、弱くとも、彼らは“鎖”を見事につなげてくれました。困難にも投げ出すことをしなかった彼らは賞賛に値します。後輩たちに「心の種火」をしっかりと残してくれました。
これも、諸先輩方の有形無形のご支援のおかげでもあります。何より私自身がOB会の存在に心強さを感じています。今後とも応援よろしくお願いいたします。
監督 木村 好輝 (昭和59年3月 卒)